ちょっと時間が経ってしまいましたが10月22、23日はスギダラ倶楽部主催の秋田杉を見に行くツアーに参加しました。
現地会員のスギッチさん、モクネットの加藤さんの取り計らいで2日間という短い時間だったとは思えないほど中身の濃い旅程でした。デジカメの充電が不十分だったため(涙)、存分に写真を撮ることができなかったのが悔やまれますが、いくつか掻い摘んでご紹介します。
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1日目は朝一番の便で大館能代空港に着いてまず北鹿ハリストス正教会を見に行きました。こちらの聖堂、明治時代に作られたギリシャ正教の教会としては最も古い建物だそうで文化財に指定されています。秋田杉を使った建物は外側は傷んだところを張り替えたりして手入れされていますが、内側は当時のままでコンパクトな空間ながらも歴史を感じる重厚な雰囲気がありました。壁にかかっている宗教画も美しかったです。
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次は杉でカヌーをつくっている工房を見学しました。
きれいな曲線のカヌーに「おお!すごい!」と感嘆の声が上がります。どのように作っているのかというと、ふちを丸く実加工した幅25ミリ厚み15ミリほどの細長い材をカヌーの型に沿わせて釘で止めながら材同士をボンドで接着し、乾いたところで原型を外してFRPでコーティングするのだそう。縁の部分は堅い木材を使っていますが杉でこんなものまで作れるのか!と驚きました。流れのゆったりした川に浮かべると気持ちがいいでしょうね。重さも杉なので軽く、運んだりするのが楽そうで、いつか機会があればぜひ乗ってみたいと思いました。 |
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次は桶、樽屋さんへ。伺った時はちょうど酒樽の製作中だったのでお仕事を拝見させていただくことができました。まず仮の鉄製タガに幅の違う材を並べてちょうどよい寸法になるように合わせていき、木槌でトントンたたいて仮タガを締めます。上下の仮タガを機械を使ってがっちり締めたら外側の材と材の接合部を鉋でなめらかに削り、竹タガに換えて締めなおし。内側の面にも鉋をかけてからふちに溝をつけて底と蓋をはめこんだら出来上がりです。
手はもちろん足も器用に使って作っていく職人さんの手際よいことといったら!一連の作業に思わず見とれてしまいます。酒樽には接着剤を使っていないそうでその仕事の正確さにもいたく感心しました。
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大館名物である曲げわっぱの工房栗久さんにも行きました。
こちらの6代目の栗盛さんがわっぱの制作工程を楽しい解説つきで実演してくださいました。作業がやりやすいように工夫された治具を使って、これはこうしてはい出来上がり、とムダのない動きで作られていくわっぱ。とてもモダンなデザインのものも作られていて伝統を守りつつも新しいものを創意工夫して生み出す姿勢がとても素晴らしいと思いました。
そして使っている材の美しいこと。樹齢100−150年の天然杉を使われているそうで、すーっと木目が通り目の詰まった秋田杉はとても繊細でした。
ちなみにこちらの工房には十何年か前に我々の師匠である時松辰夫氏がロクロの指導でいらしていたとのことでした。人は思わぬところで繋がっているものですね。
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2日目は朝から山に入り、枝打ち体験をしました。
ナタ、鋸、剪定ばさみの大きな感じのものやそれに長い棒がついている高枝ばさみなど様々な道具が用意されており、銘々に好きなものを手にいざ伐採現場へ。
小学生の演習林として植林された杉は13年生で高いもので5mくらい、低いものは3mほどに成長していました。幹の下の方まで枝が出ているので鬱蒼と茂った暗い森という印象でしたが、下から2,3mくらいまでの枝を落としていくとみるみる視野が開けていきます。光が入って明るくなり、辺りは杉の香りにつつまれて本当に清々しい気持ちになりました。
この枝打ちという作業は幹を傷つけないように気をつけつつ根元からきれいに枝を切っていかなければなりません。(枝部分が残ると死節になってしまうので。)梯子を必要とするような高いところの作業は大変だろうな、などと想像しながら使い慣れない道具を駆使しての作業に夢中になりました。 |
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こちらに来て驚いたのは山がなだらかなことと、杉が雑木とのモザイク模様のように植林されていることです。頂上あたりは雑木がちらほら紅葉しており、杉は里山のふもとあたりの平坦に近いところに植えられいます。他の産地から視察に来た人からは秋田の杉山は山じゃなくて杉畑だ、と言われるのだとか。歩くだけでも大変な急斜面の山と比べると、伐採、搬出などの作業が容易で作業効率もずっとよさそうです。
ふもとからとっぺんまで杉が立ち並び、見上げるほどにそびえる山々を普段見慣れているので秋田の景観は新鮮に映りました。
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そして’日本一の美林’へも案内していただきました。
イメージとしては完璧に手入れされた杉がびしっと並んでいるような山を思っていましたが、天然杉(100〜150年ほどの樹齢で誰が植林したとの記録の残っていないものをそう呼ぶのだそう)の中に広葉樹が混在する形で生えていてバランスのよいとても美しい山でした。長い時間を経て育まれてきた環境というのは、畏れ入りました、という気持ちにさせるようなどこか神聖な空気が流れていて、自然の大きさを身をもって感じることができるように思います。ちょっとでもその空気を共有できるかなと胸いっぱいに大きく深呼吸してみたりして自ずと心が穏かになるような静かな森の散策を楽しみました。
初めて見る天然杉はこれだけ樹齢がいっているのにとてもスマートなのに驚きました。(九州のあたりだと樹齢80年くらいの太さだと思う)やはり寒い地方なので成長が遅いのですね。あれだけ目の詰まった材がとれるのも納得です。
日本で一番樹高が高いとされている58mの杉もすら〜っと天に伸びていて、その洗練された佇まいが印象的でした。
いつかは行ってみたいと思っていた秋田へこんなに早く、こんなに盛りだくさんの内容で素敵なご一行と共に見て回ることができて充実感でいっぱいです。(本当に行ってよかった〜)お世話になった秋田のみなさま、どうもありがとうございました!!今度は青空の広がる秋田を訪れてみたいと思います。
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